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中山みきの人間学その4

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責「まず、つとめ人衆であり道具となった10の役割と内容を考えて行きましょう。
10の道具は、その方角からしても2つづつの対をなして配置されています。
日と月が南北に、温みと潤いという対極をなす役割を担っています。
うなぎとくろぐつなが東西、飲み食い出入りと引き出しですね。
いざなみといざなぎは、かんろだいの東側でつとめますが本来の場所はかんろだいの上と下から向き合ってつとめる形になります。
また、シャチとカメが対、カレイとフグが対になって働き、それぞれ役割を担っています。」


ハ「月次祭で説明された通りですね?」

責「はい。そして、6つの道具が肉体を形成する各器官や働きに該当するというお話しもさせて頂いたかと思います。
・ 消化器系
・ 循環系
・ 呼吸器系
・ 神経系(免疫系)
・ 骨格
・ 皮膚と筋肉
それぞれ何がどれに当たるのかは説明するまでも無いですね。
これに、遺伝子とも言える男種・女種を足して、温みと水気が肉体を保ち、人間として生きている訳です。」


ハ「以前、責任役員さんから聞いた事ではありますが、150年も前に中山みきさんがそれだけの解剖学的な知識を持っていたかどうかは、やはり疑問を感じるのですが。」

責「この位は解剖学的な知識という程ではないと思いますよ。『五臓六腑』なんて言葉は昔から有りましたしね。
そして、『かんろだいつとめ』のすごい所は、これら人間の各器官がそれぞれの機能、役割を果たしながら『生きる』という目的に向かって一致協力している状態を表現している訳です。その状態が『一手一つ』とも言えますし『互い立て合い助け合い』とも言えます。しかも、誰からも命令された訳でもないし、いやいや働いている訳でもないのですから(笑)。」


ハ「まず、月日親神がそのように人間を創った。
その状態こそが人間として喜び勇み充実した状態・性質を持っている。
そして、その人間が子から孫へと繋がっている訳ですから、今こうして生きている私達も同じ状態や性質を持っている、という訳ですね?
でも、この肉体としては内臓や各器官が働いてくれなくては生きていられないというのは分かりますが、それは当たり前にも思えますが。」

責「そうでしょうね。私もハルアキさんも生まれてこのかた何十年も『体の各器官が互いに助け合いながら生きている』なんてことは意識しなくても生きてこられたのですから、当たり前だと思ってしまっても当然です。今何も問題なく生きている人はそれでも良いんです。でもハルアキさん、私もそうですけど貴方もそれなりの年齢ですよね?」


ハ「そりゃぁ、世間では中年と呼ばれる年齢にはなりましたけど。」

責「内臓機能や身体の節々まで健康で全く問題はありませんか?」


ハ「健康診断では、数年前から肝臓と中性脂肪にちょっと・・・。でも、日常生活に支障はありませんよ。」

責「お酒が原因ですね?暴飲暴食してたのでしょう(笑)。」


ハ「暴飲暴食という程ではありません。仕事や付き合いで飲み過ぎたり食べ過ぎたり、最近は出来るだけ抑えていますから大丈夫です。」

責「身体の各器官がそれぞれ一生懸命働いているのに、その持ち主というか管理人である貴方が飲み過ぎ食べ過ぎで無理をさせてしまった、という事ですね。最初から適量や限度を分かっていれば、そんなことはしなかったはずですよね?」


ハ「そりゃぁ、まあ、分かっていれば、確かに自分で抑えたかもしれません。でも、誰だって年を取ればある程度はある事でしょう?若い頃のような回復力もないし、自分の身体の事ですからイイじゃありませんか。」

責「ハルアキさんを責めている訳ではないのです。
この『かんろだいつとめ』の理を考える上で、自分の身の内、そして、社会や世の中の事を同じように考えて頂きたいのです。
たとえば、ハルアキさんの会社の中で、仕事が沢山ある、大変な案件があるからといって、誰かが無理をしたり辛い思いをしたり苦しい思いをしなければならないとしたら、どうなりますか?会社を人の身体と同じだと考えれば、病気になったり倒れたりするような事になりませんかね?」


ハ「それは、まぁ、そうなりますけど、会社なら代わりの人間がいるかもしれないし・・・。」

責「確かに会社の社員なら、休職したり退職した人間の代わりに新しい人を採用すればいいかもしれません。でも会社全体を一つの身体と考えたらどうなりますか?
人間の身体なら、内臓のどれかが働けなくなったら困りますよね?
命にかかわります。
もっとも、近年は臓器移植の技術が向上していますから、退職した人間の代わりに違う人を採用するように、自分の身体の働けなくなった臓器を誰かから貰って移植すればイイ、となるのは理解できます。
でも、そういう考えが『かんろだいつとめ』の理とは違うのではないかと言いたいのです。
あぁ、一応、医学的な臓器移植を否定するつもりはありません。
それで助かる人が居るなら結構な事だと思います。
もっとも、臓器売買だのが横行するようでは困りますけど。」


ハ「最初から、誰かが病気になったり、心を病むような苦労やストレスを押し付けるような考え方や仕組みがおかしい、という訳ですか。」

責「自分の身体を労わるように、家庭や会社、社会全体などの人間関係や仕事などの仕組みも考えていく、決して甘やかすとか、過保護にしろというつもりはありません。一列兄弟、互い立て合い助け合い、各々の能力を最大限に活かせる関係や組織にすることが、3番目の7回つとめる『ようきづくめの理』ですから、そこを考える必要がある訳です。」


ハ「そうすると、天理教でよく聞くお話に『病は気から』という言葉がありますが、これも『かんろだいつとめの理』で解釈するわけですか?」

責「天理教関係では、心の使い方を間違えると病気になる、あるいは、病気になったのは心の持ちようや考え方が悪いからだ、という解釈をしている場合が多いです。世間一般では『気の持ちようで病気は良くも悪くもなる』という解釈が一般的ですから、かなりズレていますし、使い方を間違えると病人を責めるようなお諭しになってしまうので危険な面があります。」


ハ「あぁ、そういうお話はよく耳にしますね。病人を責めるようなお諭をする人が多いと。で、病気を治して欲しかったら心定めとして多額のお供えをしろ、と続くわけですね?」

責「全くもって困ったお諭しだし、そんな話しかできないような人には中山みきさんの教えだなんて言って欲しくないのですけどね。完全に『拝み祈祷』以下の金儲けのお呪いレベルになってしまいっています。」


ハ「では、それを『かんろだいつとめの理』でお話しするとどうなりますか?」

責「そうですね。確かに病気になった経緯や状況を考えるのに、その病人自身に思案してもらう必要はあります。その思案のポイントは、自分の身の内の使い方、そして、自分の身の外である夫婦関係や家族関係、社会や仕事などの人間関係、両方が『かんろだいつとめの理』に沿っていたかどうかをじっくり思案して頂くことです。」


ハ「自分の身の内の使い方なら自分の責任でしょうが、家族や会社、仕事関係の人間関係となると、病気の原因は『他人のせいだ』という事になってしまいませんか?」

責「そこは半分当たっています。
しかし、家族や会社や仕事などが『かんろだいつとめの理』と違うので病気になったとしても、それを家族や仕事に文句を言っても始まりません。
そういう家族や仕事の人間関係では、相手は『かんろだいつとめの理』を知らないのですから。
それを見直して改めないと意味がありませんので、どうすれば良いかじっくり思案する必要があります。
一番簡単な方法は、相手にも『かんろだいつとめの理』を知ってもらい、皆で一緒に改善や改革に向かって思案を深めて行動する事です。
そういう思いを一緒にする人達と一手一つの心になり、互い立て合い助け合いの精神が広まることで病など霧散するでしょうし、それが相手を助ける事にもなりますし、巡り巡って自分も助かります。」


ハ「なるほど。全ての事を『かんろだいつとめの理』で考えるという訳ですか。」

責「全てというか、自分の身の内、身体の有り様・使い方。そして、自分の周囲の人間関係や家庭・地域社会・会社や社会といったところ、ですかね。この二つを切り離して考えても意味がないのです。『この世は神の身体』ですから、銘々の身体が神の一部であるのと同様、人間同士の繋がりや関係、社会や仕事だって『神の身体』の一部なのです。どれか一つだけ取り出して直したとしても、他を直さない事には『ようきづくめの世』にはなりません。」


ハ「いや、もう、自分に関係するほぼ全てではないですか。」

責「そうですね(笑)。さて、『かんろだいつとめの理』が人間の体全体の各器官の調和と働きを現わしている、その理を社会に活かすことが重要なのだと理解できたら、次は、もう一つ大事な、人間として忘れてはならない器官、働きについて考えましょうか?」

ハ「忘れてはならない器官?」



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