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散財心と蓄財心

(続き)


責「まずは当たり前の所から考えたいと思うのです。
お金の役割とか機能についてですけど、お金には2つの役割があります。
まず一つは売買の際に交換する機能ですね。
今の世の中、お金を出せば大抵のモノは買えます。

ハ「経済を回すためにモノや商品と交換する役割ですね。お金そのものは食べる事も着る事も出来ませんけど、食べ物や着る物を手に入れるためにはお金が必要です。」


責「はい。何かの商品やサービスと交換できるというのが重要なポイントですが、お金そのものは、ご飯のように食べることも出来ないし、服のように着ることも出来ない、車のように何処かに乗って行くことも出来ないし、という事ですね。」

ハ「確かにお金そのものは何も出来ませんが、でも、お金さえあれば買えないモノは無いという位、欲しいモノが手に入るという便利な道具です。」


責「そう、お金は道具なのです。これは大事なの事なのでまた後でお話ししましょう。
で、もう一つの機能は長期間貯蓄や保存する事が出来るという事です。」

ハ「食べ物は腐ってしまうし、服や電気製品などは使わなくても古くなって傷んでしまう。しかも、もし1億円分の米を貯蓄しておくには倉庫一棟が必要ですけど、現金はそれほど場所をとりません。銀行にでも預けておけば通帳の口座に数字が書き込まれるだけですからね。最近はネットバンクなどで通帳すら無い銀行もありますね。そういう意味での貯蓄というか、保存が出来るという事ですね?」


責「つまりお金は、商品やサービスと交換できて、その商品やサービスが高いか安いかを比較する『物差し』のようなモノですけど、実体のない『数字』のようなモノでしかないのですよね。この部分が昔の金貨や銀貨を使っていた金本位制と違って、今の信用貨幣の特長といえます。」

ハ「なるほど。今、私の財布の中に入っている一万円札は確かに1万円札として存在していますけど、銀行に預けたらこの1万円札は私の手元から消えてしまう。でも、私が持っている1万円は通帳やネット口座に記録されている訳です。これが『信用貨幣』でしたか?」


責「それは銀行の信用という事になります。『信用貨幣』というのはもう少し広い意味になりますが、それはまた必要があったらで。今は、お金の性質や機能と中山みきさんの教えとの関連性、そして、教えの中身を考えて行こうと思います。」

ハ「了解しました。」


一下り目
一つ 正月こえのさづけはやれめずらしい
二に にっこりさづけもろたらやれたのもしや
三に さんざいこころをさだめ
四つ よんなか
五つ りをふく
六つ むしょうにでけまわす
七つ なにかにつくりとるなら
八つ やまとはほうねんや
九つ ここまでついてこい
十ど とりめがさだまりた


責「と、まずは一下り目ですが、これは『経済について』の教えだというお話しはしていたと思います。重要な所は『三に さんざいこころをさだめ』と『七つ なにかにつくりとるなら』です。この二つで経済的陽気づくめの世界建設にとりかかれ、という教えです。」

ハ「はい。以前『さんざい』は三歳心ではなく、散財心だと聞いていますが、散財心で陽気づくめ世界というのが結び付かないのです。」


責「散財といっても、無駄使いとは違います。誰かにご馳走になった時のお礼の言葉で『本日はすっかり散財を掛けてしまって。』なんてことを普通に言います。散財には、誰かのために用意する、心を尽くす、もてなす、という意味が含まれています。」

ハ「なるほど。互いに奢ったり奢られたりする訳ですね?」


責「まぁ、単に奢るとかご馳走するという範囲ではないのですが、形からすればそうなりますね。これに対して、蓄財心は自分一人でしまいこんで蓄えておくという蓄財心とでも言いますか、この心では豊かで陽気づくめの世の中にはならない、という事です。」

ハ「皆が貯蓄して蓄えておくことは悪い事ではないと思いますが。蓄えが増えればいざという時にも困ることはありませんし、普段散財して必要なときに何も残っていないのでは、それこそ困りませんか?」


(続く)



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