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天理教の神様とは?(神様の比較)

ハ「『神様とは何か?』というお話ですね?」

役「当たり前の話ですが、世界の三大宗教と言われているモノにキリスト教、イスラム教、仏教があります。仏教には『神様』という存在は有りませんので、世界中の人の殆どが信じている『神様』は、キリスト教とイスラム教の神様という事になります。勿論、その中身や教会・教団も分派や派閥がありますし、国や地域で解釈や教えも多少は異なりますし、宗教という点では沢山の種類がありますけど、根本となるモノはどちらも『ユダヤ教』の『旧約聖書』に行きつくと言われています。どちらも『一神教』を信じる宗教です。」

ハ「旧約聖書というと天地創造の神様ですね?」
役「そうです。神が1日目に天と地を造った。光をつくり昼と夜ができた。6日目までに大地や動植物、神自身に似せた人間まで造って、7日目に休んだ、というお話です。」

ハ「世界中の殆どの人が『絶対的な力を持つ天地創造の神様』を信じている、という事でしょうか?」
役「そういう事になります。勿論、神話の世界ですから、科学的な根拠も証明もされていません。でも、世界の多くの人は、そういう『一神教の神様』を信じている、という事でしょう。」

ハ「その点、日本の事情は大きく違っていますよね?」
役「はい。古代の日本では『八百万の神様』と称される多くの神様がいました、というか信仰されていました。太陽であったり星々であったり、大自然であったり、時には大きな岩や樹齢数百年の大木とかでも『神の宿る存在』として、信仰されたり大切に扱われる存在だったわけです。それどころか、生活の道具である針だの農具などにも神が宿ると考えられていて、そういった多くの神様的存在と共存しながら日本人は生活をしていた訳です。今でも日本人の心の寄り所と言えるでしょう。」

ハ「他にも、学問の神様とか、村を救った英雄を神様として祀ることがありますよね?」
役「そうですね。そういう多様性を認めている、受け入れられるのも日本独特の宗教観というか、世界でも類を見ないほどの、日本人の特徴と言えるかもしれません。」

ハ「一神教の神様なら、そんな神様は認められない、崇める対象にはなり得ない訳ですね。」
役「でも、日本にも一神教というか他の神様を認めない宗教もあるのですよ。それが顕著になったのが明治政府の推し進めた天皇を中心とした『国家神道』です。」

ハ「歴史的に見れば、西欧列強が世界を支配し植民地化を進めていた時代でしたね。アジアでも日本と緩衝地帯になっていた『タイ』以外は植民地にされ、眠れる獅子といわれた大国『清』もかなり浸食されたり領土を奪われていたと記憶していますが。」
役「はい。そんな西欧列強の世界進出の波の中で鎖国政策を採っていた徳川幕府が崩壊し、日本は世界の国々の中で自らの方針と方向性を決めて行く必要があった訳です。明治維新の文明開化と富国強兵という道を急速に歩まなければならなかった訳です。」

ハ「なるほど。流石に植民地の奴隷身分や世界各国の分割統治を受け入れる訳には行きませんからね。」
役「それには、日本を一つの力で纏めなければならない。いくら天皇制や天皇の存在が有ったとしても、それまで全国300藩に分かれて統治されていた日本国民の意識をまとめて、目標に向かって同じ方向に歩ませなければならなかった訳です。西欧の進んだ文明や技術、社会制度を取り入れるとともに、国民意識を日本全体という方向に切り替えさせるために、教育だけでなく宗教観も統一する必要があった訳です。」

ハ「それで天皇を現人神として、国民の尊敬と信仰の対象にした訳ですね。」
役「はい。私はそう解釈しています。」

ハ「分かります。しかし、その結果日本も海外に進出し、戦争をする国になってしまったと思いますが。」
役「歴史の事実だけを見ればそうなりますね。ここで善悪正誤、是非を話しても仕方がないので、当時は世界中がそういう流れだった、という事にしておきましょう。西欧列強の一神教の神様と日本人の信じる一神教の神様、互いの信じる神様が違うのですから、いずれぶつかるのもやむを得ないのかも知れません。」

ハ「まぁ、神様同士の喧嘩ですかね?」
役「神様の名前を借りた人間同士の代理戦争でしょうけどね。」
ハ「なるほど。」

役「だって、これ(おメドウ)が人間に『戦争をしなさい、世界を征服しなさい』なんて言いますか?」
ハ「いや、そんな事は有り得ませんね。」

役「では同様に、西欧の神様やイスラム教の神様が、人間に植民地を増やしなさいとか、アジア・アフリカを支配しなさいなんて、その都度言いますか?」
ハ「それも無いでしょうね。教え全体に流れる思想や解釈にそういった内容が含まれていると考えることは出来るでしょうけど、その場その都度で作戦を立てたり指示をしたり命令する神様が居るとは思えません。」

役「どの世界でもたまに『神様のお告げ』とか『神託を受けた』という人が現れますけど、現実に神様が言っているのか、その人の頭で考えて言っているのか、周囲からは判断が出来ません。何しろ、神様そのものが実体を持っていないし、目で見えないし、確実にその存在を示すような事象やデータは有りません。」
ハ「確かに実体がありませんね。たまに奇跡とか神の力等と言われる出来事もありますけど、それが本当に神様の起こした事なのかは疑問がありますね。では『神様とは何か?』という事ですが。」

役「と、ここまでお話しさせて頂いて申し訳ないのですが、それを一言で表すのは難しいのです。人によって『神様』に対する考え方も解釈も理解も全然違います。違う宗教なら勿論ですが、同じ宗教や信仰をしていても個人によって違うのではないでしょうか?」
ハ「あれれ?結局、結論は無しですか?(笑)」

役「そうです(笑)。とはいえ、それではハルアキさんも困るでしょうから参考になる事を挙げて行きましょう。」
ハ「天理教の神様ですね。」
役「私は『月日親神』と呼んでいます。その性質や内容をイメージするのに一番良いと思うので。原典の正確な表現ではありませんが、『みかぐらうた』や『おふでさき』で書かれている事を箇条書きにします。

・泥海の地の様子を見て残念に思った。
・人間を拵えて、人間が陽気に暮らすのを見て共に楽しみたいと思いついた。
・人間を創る為に10の道具を集めた。
・10の道具を使って(働かせて)人間を創った。
・人間は月日親神からすれば、可愛い子供であり一列兄弟である。
・月日親神は、可愛い子供を全て救いたい助けたいと思っている。
・人間に知恵と言葉と文字を教えた。

そして、天保九年10月に中山みき様の身体に天下って、一列世界を助けるために真実の神の姿というか、行動を見せた訳です。」

ハ「立教の旬刻限ですね。しかし、元の理で語られている子数とか年限、出直しとか動物への生まれ変わりなどを目一杯省きましたね?(笑)」
役「あぁ、正直言って、中山みき様の教えを解釈する上ではあまり関係がない感じですので(笑)。どんな神様かを考える場合には、神様自体を表現した部分だけで充分でしょ?もっとも、科学的に考えれば、人類の発生がドジョウだとか、神が創った、という事自体おかしな話ですが、神話の世界ですね。」
ハ「なるほど。」

役「では、この月日親神がどんな神様なのかを考えて行きましょう。」



コメント
[3] 役員 | 2018/07/23 22:21
太田隆 様

コメントありがとうございます。
見解は如何でしょうか?と問われましても、私は真言密教は聞きかじり程度ですので、自説やコメントを出せる程の知識はありません。
申し訳ありませんが、その回答はご容赦ください。

>天理教では「人間」だけが平等であって他の生き物には・・

このご質問でしたら私個人の見解を述べさせて頂きます。

中山みきさんの教えは、社会改革・民衆運動の教えと言えますので、他の生き物の事は正しく「対象外」なのです。
これは、他の生き物について「言及していない」、「人間との比較や混同をしていない」という『対象外』であって、他の生き物を蔑ろにしてるとか、見下している、という意味ではありません。

天理教の人の中にも、「輪廻転生」や「畜生道への生れ変り」などを説く人がたまにいますが、これは中山みきさんの教えとはかけ離れたものです。
[2] 太田隆 | 2018/07/23 21:55 URL
はじめまして。私は密教について勉強しているものです。科学的的な見方からの生命論と空海の「即身成仏義における生命論から最終的には「草木国土悉皆成仏」が説かれていますが、天理教では「人間」だけが平等であって、他の生き物には対象外という印象を受けます。密教では法身大日如来と我と衆生は平等であるという立場であります。これを梵我一如と言いますが、これに関する見解は如何でしようか?
[1] satuki | 2017/08/17 13:45
 天理教の神様とは?(神様の比較)、なかなか興味深いところに進んでますね。楽しみです。キリスト教の神をまねた一神教なのか、それとも、みき様の啓いた親神は、キリスト教とは関係ない、独自の一神教なのか、それとも、一神教などというものではないのか、考察楽しみにしてます。
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