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緊急インタビュー

この日、私、加藤ハルアキ(ペンネーム)は末端教会役員という人物に久しぶりに呼び出された。
用件はある「インタビュー記事」を書いて欲しいとの事だ。

最近この人物が自身の実家の教会(宗教法人)について、その所属する宗教団体から被包括関係廃止手続きを行いその様子をネットにアップしていて、その手続きが完了(被包括関係を廃止)した事は知っていたが、この「インタビュー」というのがよく分からない。

ハルアキ「末端教会役員さん、お久しぶりですね。もう、お声が掛かる事はないかと思っていましたよ。」
末端役員「本当に久しぶりです。長期間連絡しなかった事はお詫びしますけど、そんな嫌味っぽい言い方しないで下さい。」

ハ「これは失礼、こういう性格なのでご容赦願いたい。で、今日は『インタビュー記事を書いて欲しい』との事ですが、どういう事なのでしょう?」
末「ええ、私が実家の教会(宗教法人)について、その包括団体との関係を廃止したのはご存知でしょ?」

ハ「そうでしたね。大変お疲れさまでした。記事を読ませて頂いただけでも、色々な事件や問題が有ったようで。全て終了した今のご気分はいかがですか?」
末「今はとてもスッキリしています。背中の重荷が取れたというか、頭の上の暗雲が消え去ったというか、面倒な事を片付けた達成感もあります。」

ハ「そうでしょうね。それで今後、現実の教会運営とネットの事と2つの事があると思うのですが、どうなさるおつもりなのですか?」
末「ええ。まず現実の教会運営については、記事にも書いていたように『教祖様の教えてくれたつとめとお話』を基本にして自分の信仰と教会の運営をしていくだけです。」
ハ「具体的にはどのように?」

末「信者さんらしい信者さんは居なくなってしまいましたが、『教祖様の教え』を守って『かんろだいを囲んだおつとめ』をして、その意味と内容を伝えていきたいと思います。幸い、頼れる協力者(妹)も居ますし。教会自体で何をやるかと云う点では、記事の中ではかなり『格好つけた事』を言ってしまいましたが、現実に考えれば今すぐに出来るような、実現できるような力は有りません。それに、私自身他に仕事を持っていますから教会の事だけをしている訳にも行かないし、教会だけでは生活できません。まずは出来る事を一つずつ、無理はしない、ですかね。」
ハ「なるほど、まあ、計画ややりたい事は色々あるけど、まだ構想段階だという事でしょうか?」
末「そうですね(笑)」

ハ「では、ネットの事についてお伺いしますが、この記事の反応というか反響はそれなりにあったのでは?」
末「はい。掲載中から応援や励ましのメッセージを多数いただきました。この場をお借りしてお礼と感謝を申し上げたいと思います。また、私と同じような環境や立場で悩んだり、苦しい思いをされている方からご相談やお問い合せも頂いています。『自分が助かった事を人様にお話しさせて頂くのが人助けやで』という教祖様の教えに従えば、この記事を発表した事は間違いではなかったと思っていますし、意義の有る事だと思います。勿論、世の中には色々な考えがありますし、その人の立場や考え方によっては、記事の公表に批判や否定的な考えもあるでしょうが、一つの考え方や情報だと思って頂ければと思っています。」

ハ「なるほど。では、記事の内容や実際の出来事について幾つか質問させて頂いてよろしいでしょうか?」
末「はい、どうぞ。」

ハ「まず、今回『被包括関係廃止』という選択をされた訳ですが、これはどうしてでしょう?神様をお返しする、信仰をヤメルという選択肢も有ったのではないかと思いますが?逆に言えば、その方が上級の態度や対応が穏やかだったように思えます。被包括廃止手続では、真っ向から戦いを挑むようなものですからね。」
末「確かにそうです。ただ、生まれた時から教会があって、教会の中で遊んだり過ごした時間を考えると、単に建物だけが残れば良いという問題ではないのです。記事の中にも書きましたけど、教祖様の教えというか、真実の教えが知りたいという思いは私の血肉であり骨格を形成していると言って過言ではありません。宗教法人を解散して個人で信仰を続ければ良いという考えもあるでしょうが、現実に教祖様の教えを伝えたい、現実の形にしようと思ったら、宗教法人を残しておいた方が便利ですし、色々と活用できるのです。不動産の固定資産税だって免除になりますしね。」

ハ「教会や住宅の不動産は会長の個人名義でしたね?まずはそれを書き換える訳ですか?」
末「そうですね。今の状態が落ち着いたら、不十分だった規則の変更と不動産の名義変更に取り組みたいと思います。」

ハ「なるほど。ところで、記事では一切触れていませんでしたが、この教会には5年ほど前まで部下教会が有りましたよね?布教所も一つ。それで『末端』と名乗っていたのは如何なのでしょう?」
末「確かにそうですね。でも、部下教会のおメドウを引き上げて来た段階で末端に転落したわけですから良いじゃないですか(笑)」

ハ「その部下教会を引き上げる件では、会長(末端役員の父)さんもご苦労をされたのでしょうね?」
末「はい。そのやり取りや話合いは5年ほど掛ったようです。その間、全部ではありませんが父からいろいろ聞いています。それに、部下教会と言ってもその指導や管理、尽くし運びなどの流れは、うちの上級に握られていて此方には何もありません。会長(父)は部下教会の月次祭に毎月行ってましたが、僅かなお礼とお車代を貰って来るだけでした。それも、上級に渡す分に入れないと間に合わない状態だったのです。」

ハ「なるほど。その5年間のやり取りは、今回の被包括関係廃止の記事とは逆の立場になる訳ですね?それはそれで記事にすれば面白そうな内容になるかと思いますが?」
末「そういう見方も出来ますね。機会があれば記事にしましょうか?」

ハ「そうですね、期待せずに待ちましょう。では、この一連の手続きの中で、一番印象に残っている事は何でしょう?」
末「そうですね。やはり、父を連れて官庁に行き、認証書を受取った時でしょうか。」

ハ「なるほど、1年半の苦労が結ばれた瞬間ですね。」
末「はい。当初は上級と縁を切る事に躊躇いを感じていた父でしたが、途中からは納得してくれて、最後、出発の朝などは私に感謝と労いの言葉を掛けてくれました。親孝行のつもりで始めた事ではありませんが、結果的には喜んで貰えて良かったなと感じています。」

ハ「なるほど。記事の中で読者の方から評判や支持が高かったのは『大教会長からの電話』だったかと思います。お供えを出さなくてもいいように配慮するから申請を取り下げなさい、という大教会長さんの提案をキッパリ断った出来事でしたが、これについては何かございますか?」
末「多分、普段多くの人が感じていても口に出せない、直接訴える事も出来ないような話を『本当にぶつけた』ので、多くの方が共感し支持してくれたのだと思います。天理教の組織では、下の者から上の者に意見してはいけないという雰囲気というか、不文律がありますから。」

ハ「確かにそうですね。最後の大教会のN役員との議論などは、部下教会の会長さんやまして子弟などでは有り得ない感じがしましたが。」
末「そうかもしれません。まあ、あの段階で官庁から返答を貰っていたので、強気で言いたい事を言ってしまったという所です。ただ、あの議論では、実は、私の主張の方がおかしいのですけども。」

ハ「どういう事ですか?」
末「天理教の組織の中では、『教祖様の教え』は言ってはいけないのですよ。」
ハ「??」
末「教会規則を理解している人はお判りだと思いますが、教会規則の目的は『天理教教典に依拠して』となっています。つまり、教会の中では『天理教教典』以外の事を教えてはいけないのです。もちろん、教典にも『ひながた』の章があり、教祖様の事に触れてはいますが、あくまで『教典に書かれている内容と教え』でなければならないのです。」

ハ「でも、天理教教典は三原典である、みかぐらうた、おふでさき、おさしずから作成されたものですよね。みかぐらうたとおふでさきは教祖様の直接の教えなのですから、教祖様の教えを言ってはいけないというのは意味が分かりませんが?」
末「天理教教典がみかぐらうたの精神や内容から乖離しているという指摘は、教内でも多数ある事はご存知かと思います。でも、規則では教典に依拠して話をしないといけない。教典に反するような事や矛盾する事を主張するのは、異端なのです(笑)」

ハ「でも、修養科などでは教祖伝を学び、教祖様のひな型を辿れと教えています。これはどういう事なんでしょうか?」
末「正確な所は分かりませんが、本部と言われる宗教法人天理教や宗教法人天理教教会本部は、一般の教会とは規則が違う、目的部分も違う内容なのではないかと思えます。そうじゃないと、教典に矛盾する教組伝の事を教えられませんからね。だから私の立場で『教祖様の教えじゃなかったら安心して信仰できない』という主張は間違いなのです。」


ハ「なるほど、そんな事情があったのですね。後は、ネットでの過去記事を全て削除した事がありましたよね?読者の方には何事かと心配された方もいらっしゃったと思いますが、その辺りをご説明願いますか?」
末「はい。その際にご心配をお掛けした方、ご不審に思われた方には改めてお詫びします。
事情を説明しますと、丁度、官庁の認証が下りる直前だったのですが、上級側がこのネットの記事の存在を嗅ぎつけたという情報が入りました。この記事は、最初にフィクションともノンフィクションとも書かずに、実名こそ出してはいないモノの、読む人が読めば全て分かってしまいます。当然ながら登場人物に記事にする事の承諾などは貰っていません。特に、大教会長さん等は役職名であっても個人の特定をしているようなものですから、その個人情報に近い内容や電話でのやり取りを記事にする事は、例え事実であっても『名誉棄損』と言われてしまう事も考えられます。会話ややり取りなどを全て記録している訳でもなく、多少の編集や言葉を変えたりしていますから、本人達からすれば、記事の内容が『事実と異なる』という指摘もあるかもしれません。上級側が捨て身でその作戦を取ってきたら、泥沼の争いになる可能性も0ではないのです。それで削除させて貰った訳です。」

ハ「なるほど、理由は分かりました。しかし、そうすると削除した過去記事は二度と表に出せないという事になりますか?」
末「このままでは難しいでしょうね。だから、貴方に来て貰ったのですから(笑)」

ハ「相変わらず用意周到というか、考える事がズルいですよ(笑)」
末「まぁ、そう言わないで下さい(笑)。実は、独立後の宗教法人のネットでの公開について、責任役員会議で否決されてしまって、今の段階では、公式には出来なくなってしまったのです。」

ハ「責任役員会議というと、貴方と父上、妹さんの三人ですよね?」
末「そうです。妹は、この記事を同じような状況で悩み苦しんでいる教会や人に教えてあげたいという点では賛成してくれているのですが、先程のようなリスクがあるので、全部を公表して旦那さんや嫁ぎ先の家に迷惑が掛かるのは避けて欲しい、という事です。」

ハ「なるほど、尤もですね。」
末「で、記事の原稿もサイトのURLも全て貴方に譲りますので、イイ形にして欲しいのです。」

ハ「全く、20年ぶりかと思ったらそんな用件とは。そんな事を言われても、どこまで出来るか分からないし、貴方の意図する内容をそのまま伝えられるとは限らないじゃないですか。」
末「構いません。ハルアキさんがここで見て聞いて感じた事を、ハルアキさんの思う通りにしてくれて結構です。無理せず、出来る範囲で結構ですから。ただ、問い合わせや相談の人がいたら、そのまま私に伝えてください。そして、私の言葉をそのまま伝えてあげてください。ハルアキさんならやってくれると思っていますよ。」

ハ「仕方ないなぁ。まぁ、末端教会役員さんとは一心同体みたいなモノですからね。出来る範囲でイイなら協力させて貰いますが。」
末「そうそう、それでこそ適材適所、役割分担という『かんろだいの理』の教えに沿う事です。」

ハ「いや、私は信者ではないのだから勘弁して下さい。」
末「そうでしたね。まぁ、後は頼みます。」

ハ「では、最後に読者の皆様に一言。」
末「はい、ここまで読んで頂いた方に感謝とお礼を申し上げます。また、この記事がどの程度参考になるか分かりませんが、被包括関係を廃止したいと考えていらっしゃる方には、慎重に事を進めて頂きたいと思います。これはあくまでも一つの情報ですので、この通りにやれば間違いない等とはとても言えません。重要なのは事前の準備と責任役員同士の結束です。公告開始から官庁に申請書を出す2ヶ月半の期間が勝負だと言えるでしょう。何かあればご相談に乗らせて頂きたいと考えていますので、遠慮なくご相談ください。宜しくお願いします。」

ハ「ということで、私からも読者の皆様に感謝とお礼を申し上げます。これからも宜しくお願いします。」



以上で「被包括関係廃止実行編」を終わらせて頂きます。
なお、削除した過去記事は、加筆修正して「フィクション」として別のサイトにUPさせて貰ってます(タイトル『1/17000の闘争と逃走』)
トップページのリンク集からご覧ください。

皆様には、長い間お付き合いいただき有難うございました。
また、追加や関連する事、もしくは、手続き中には書けなかった話や裏話(笑)などをハルアキさんにお願いして書かせて頂くかもしれませんので、たまには覗きに来てください。

皆様の今後のご健康とご多幸を願いつつ、失礼します。



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