本日 10 人 - 昨日 142 人 - 累計 270900 人
役「ハルアキさん、先日、市役所の固定資産税課の人が視察に来ましたよ。」
ハ「ええと、以前お話していた役員さんの教会の固定資産税に関する事ですね?」

役「はい。教会のというか私の実家の問題ですが、教会にも関わることですから。」
ハ「たしか、土地建物等の不動産名義は全て会長さん(役員の父)の個人名義で、ずっと固定資産税を払ってきていたのですよね?」

役「そうです。改めて説明すると、実家は、まず土地が、
・住宅や教会の建っている土地
・少し離れた場所に猫の額ほどの畑
があります。そしてメインの土地には、
・教会建物
・会長家族の住宅(現在は会長夫妻が居住)
・直会場(10坪ほどのプレハブのような建物。元は母が営んでいた縫製工場で、その後市の依頼で地域の『子供クラブ』として使われていた事もある)
・物置(10畳程度の2階建て、上は私たち子供達の共同の遊び場だった)
があるのですが、父が固定資産税をずっと払っていました。」
ハ「結構な負担ですね。」

役「年額は大卒初任給(幅が広いかな?)くらいでしょうか。母は『毎年少しづつ下がってるから大丈夫』等と言っていましたが、住宅が古くなって評価額が下がってるからですね。それよりも、宗教法人なのですから全ての固定資産税が無くなれば助かります。」
ハ「そうですね。ちなみに、名義は全て教会長さんの個人名義なのでしょうか?」

役「実は、今回の手続きで確認したのですが、土地、メインと畑は勿論父の個人名義です。問題は建物なのですが、住宅だけは登記しているのですが、他は法務局にもデータが無いのですよ。」
ハ「直会場と教会建物は登記されていないのですか?」

役「はい。登記されていません。」
ハ「すると、固定資産税も?」

役「それは市の固定資産税課に行って初めて確認できたのですが、市の方では住宅と直会場(元は工場だったので『工場』として記録されている)は図面やデータを持っていて、その分に課税してました。」
ハ「教会は外れているのですか?」

役「はい(笑)。流石に看板掲げた宗教法人の建物ですから、最初から課税できないものとして調査も確認もしなかったようですね。これは、今回の窓口の職員も『想像ですが・・』と言って打ち明けてくれました(笑)」
ハ「なるほど、流石にお役所仕事ですね(笑)」

役「ということで、今回、
・住宅は宗教法人の会長夫妻の住居であり、遠方の信者も利用したり寝泊まりしたりする。
・直会場は教会の食事会場や会議室として使用している。
・物置は宗教用具を収納している。
・畑は献撰用の野菜を作っている。(勿論、私達も食べるし配ってもいる)
という、ちょっと膨らませた話で市の資産税課と話を進めてきて、先日、現地視察に来たわけです。」
ハ「なるほど、それは大変でしたね。」

役「まぁ、名義そのものを宗教法人に書き換えると父の方に贈与税が掛かってしまうので、苦肉の策です。」
ハ「なるほど。それで、視察の結果はいかがだったのでしょう?」

役「はい。視察というのはあくまで『申請・審査の事前段階』ですが、担当者からは『後日書類を用意しますので、申請をして下さい。』という事です。担当者は明言していませんが、申請をすれば、全てではないかもしれませんが問題なく認められるようですね。」
ハ「そうですか。それは良かったですね。」

役「ひと段落です。もっとも、認められても来年度からの話で、今まで収めていた固定資産税が還付されることはありません。」
ハ「それはやむを得ないですね。」

役「でも、同じように不動産が個人名義で教会をやっている所があったら、市の固定資産税課に相談に行くことをお勧めします。」
ハ「そうですね。自分の教会の不動産名義がどうなっているか、税金とかどうなっているか確認する必要がありそうですね。」

役「ええ。こういったことは、本部なり上級なりが指導したり教えたりするのが『教団』としてのメリットだと思いますけど、天理教団はそういう所が疎かですからね(笑)」
ハ「お話を聞いているだけでも、全くその通りだと思います。」

役「で、今回別の問題が見つかってしまいました。」
ハ「別の問題?どんな事ですか?」

役「宗教法人天理教U分教会は、土地も建物も不動産を所有していません。市の方でも把握していません。」
ハ「今回の件でハッキリしましたね。」

役「で、これから私が色々やりたいと考えている事では、宗教法人名義の固定資産がないと困る事があるのです。」
ハ「困ること?」
役「はい。所有不動産は永続的な様々な宗教活動をするために必要ですが、今回、不動産がない事がハッキリしたのですから、永続的な活動のできない宗教法人となってしまった訳です(笑)。」
ハ「あぁ、税金免除のこと以外でも、宗教法人に認められているメリットや営業内容とかに支障が出ることがある、という事ですか?」

役「そうなんです。それで、次は『登記されていない教会建物』を宗教法人名義として登記しようと、法務局に相談することにしました。」
ハ「あぁ、なるほど。元々誰のものとも登記もされていない訳ですから、正式に登記するわけですね。それなら、贈与税の問題も発生しませんね。」

役「はい。ハルアキさんには、その流れややり取りなどを後で報告しますよ。」
ハ「そうですか。よろしくお願いします。」


本ブログをお読みの方から投書を頂きました。

「不動産名義について」で書かれていた売買以外でも宗教法人を解散させることで教会(宗教法人)名義を個人名義に書き換える事が出来るのではないか?

ということで、少々法律のお話です。

あくまで前提は自教会(宗教法人)名義の不動産であり、被包括関係を廃止して『規則変更』をした上での事だとご理解ください。

まず、

・宗教法人法
(清算人の職務及び権限)
第四十九条の二  清算人の職務は、次のとおりとする。
一  現務の結了
二  債権の取立て及び債務の弁済
三  残余財産の引渡し
2  清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。

解散によって消滅する法人は残余財産はゼロとなることから、法人→個人への不動産売買によって現金が法人に残ることはおかしい。
よって、設立当初に個人→法人へ寄付したのと同様、解散時は逆に法人→個人へ無償で譲渡となる。

当然、法人→個人への名義変更によって個人には固定資産税が発生します。

また、この方法は、事前に教会規程においてその旨を変更しておくことが必須条件になります。

・宗教法人法
(残余財産の処分)
第五十条  解散した宗教法人の残余財産の処分は、合併及び破産手続開始の決定による解散の場合を除くほか、規則で定めるところによる。
2  前項の場合において、規則にその定がないときは、他の宗教団体又は公益事業のためにその財産を処分することができる。
3  前二項の規定により処分されない財産は、国庫に帰属する。

一般教会の教会規則には
「この法人が解散した場合には、その残余財産は、天理教に帰属する。」
となっているかと思います。
被包括関係を廃止し、この規則を、例えば、
「この法人が解散した場合には、その残余財産は責任役員会の決議によって決定する。」
のように変更しておけば、教会(宗教法人)を解散させる際、責任役員会決議で個人名義に書き換えることが可能です。


ということで「売買以外の方法」がありました事を付け加えさせていただきます。

ただし、この解散に伴う教会長個人へ不動産名義を変えた場合、「無償譲渡」となりますので、教会長個人の一時所得として結構な税金がかかります。

そこで、解散前に売買という形にして法人に現金を残し、その現金を教会長への退職金、慰労金等の名目にして支払う方法が考えられます。この方法も所得になりますからそれなりの税金が掛かるでしょうが、上記とどちらが安いか比較する価値はあるでしょう。

逆に言えば、一度に全部処理しようとするから税金が高くなってしまうので、前回も述べたように「宗教法人はそのまま」なら、別の方法もあるかと・・・。

ハルアキ「役員さん、質問があるのですが宜しいでしょうか?」
役員「はい、何でしょう?」

ハ「たしか、役員さんの教会の土地建物などの不動産は教会長(役員の父)個人名義で、固定資産税も教会長さん個人で負担してる状態でしたね?」
役「えぇ、そうです。一つの土地、敷地内に住宅と教会建物がありますが、父の個人名義のためにずっと固定資産税も個人で払ってました。」

ハ「宗教法人天理教との被包括関係廃止手続きが済んだので、これから不動産名義を宗教法人名義に書き換える手続きをする訳ですね?」
役「そのつもりだったのですが、色々調べてみたところ、名義を書き換えなくても固定資産税を免除される方法があるようなんですよ。
父が退職して教会長を継いでからずっと宗教法人のために使われていたようなものなのですから、その旨を役所の資産税課(教会所在地の役所における部署名)に申請すれば、個人名義のままでも免除になる事もあるそうです。
名義変更するにも、生前贈与だと贈与税の問題が発生してしまうので大変ですから。
先日、その打ち合わせに行ってきました。」

ハ「なるほど。それは面白そうですね。結果が分かりましたら教えて下さい。」
役「ええ、いいですよ。で、質問というのは?」

ハ「あぁ、そうでした。全国の末端教会の中には逆に考えている方も多いと思うのです。宗教法人名義の土地建物を個人名義に書き換えられないか、と。その方法としてどんなやり方があるのかと思いまして。」
役「という事は前提として、不動産名義は自教会、つまり自分又は自分の肉親が教会長をしている宗教法人名義という事ですね?」

ハ「えぇ、そうです。自分のご先祖が土地建物をお供えして教会を作ったけど、この先後継者がいない、子供達も天理教から離れてしまった。このままだと、上級や大教会から別の人が教会長として任命されて来る。それよりも個人名義に変えて教会も整理して、子供たちに残してあげたい、というような場合ですかね。」
役「教会規則では何をやるのも大教会長の同意と本部の承認が必要ですから、まずは被包括関係廃止をしない事には始まりませんが、その上で、教会(宗教法人)も整理したいということなのかな?」

ハ「役員さんのように、教えの追及とか信仰を続ける意思があれば別でしょうが、子供達も天理教から離れていたら、整理するしかないのではないかと。」
役「そうかもしれませんね。個人的には、信仰はさておき、宗教法人のままにしておけば、固定資産税や相続税が掛からないのでイイと思いますけど。」

ハ「そういうメリットも有りますけど、結局、子供達を教会に縛り付ける事にもなるじゃありませんか。そういう個人の問題はともかく、宗教法人名義の不動産を個人名義にする方法についてなのですけど。」
役「ありますよ、買えばいいんです。」

ハ「え?買う?」
役「はい。自分の教会とはいえ法人名義なら『他人のモノ』ですから、ただで貰う訳にはいきません。普通に買えばいいのです。」

ハ「し、しかし、ずっと大教会や本部に尽くしてきて、経済的に大変な小さな教会がやっと被包括関係を廃止して独立したとして、その不動産の購入代金なんて・・・」
役「あぁ、事情は分かりますけど、だからと言って『タダで貰おう』なんて都合よすぎますよ。仮にタダで貰ったとしても、それはそっくり一時所得、不労所得になりますから、大半は税金で持って行かれてしまうでしょうね。」

ハ「それはそうなんですけど。でも末端教会関係者の気持ちは、役員さんもよく分かるでしょう?」
役「それは理解できないわけでは有りませんけど、だから、宗教法人のままで置いておけ、と謂う事なんです。」

ハ「それしか無いのでしょうか?」
役「ただ、宗教法人に代金を払って購入したとして、売却代金を手にした宗教法人の代表役員は教会長さんなんですから、その後は・・・・おっと、これ以上話して記事にされたら、私が『節税対策の指南をしている』と訴えられかねませんので、ここまでで勘弁してください。」

ハ「なるほど、役員さんに迷惑を掛けては申し訳ないですから、この話はここまでにしましょう。」

講演者はその1と同じ「現職の寺院住職であり弁護士でもある」方です。

先日、大変な事実が明らかになりました。
その事実とは、天理教本部の長野悦司法人課長(本部準員)が昭和59年3月24日に龍谷大学でもたれた宗教法学会の研究会という公式の場で行った報告です。
 報告の題名は、「小規模宗教法人の管理運営について」というものです。内容は、非常に率直・正直なモノで天理教の内容・実情が赤裸々に書かれています。

私がびっくりした内容の一例をあげますと、
教会長の年齢構成では、51%が60歳未満、60代が23.6%、70代が25.3%であり、その60歳代以上の教会長のうち後継者不在の割合が60歳代では35.6%、70歳代では41.9%もの割合にのぼっている、というものです。
 全体の一般教会の数が16,863ヶ所から計算すると、後継者不在の教会数は3,203ヶ所、全体の2割にもなります。もっと具体的に言えば、60歳代のまぁ、3人に一人、70歳代のもう二人に一人近くの会長さんが後継者不在で悩んでいる、という事が分かった訳です。

(加藤ハルアキ注:このお話は31年前発行の冊子です。統計の発表自体がS59年ですから、33年前という事になります。更に長野課長の衝撃的な報告が続きます。)

「昭和55~56年に文化庁の宗務課で実施された実態調査では、信者数50人未満の宗教法人が全体が22%に対して、天理教では46%という高い数値です。」
「教会の名称が変わる、改称という事もございます。これが10年間で450件です。これは残念ながらその殆どが後継者不在という事情で、本部あるいは上級教会である大教会から、人材を派遣して後を継がせ、新たに再出発をするというような形をとらせている中で、新たに担当する者の感情的な問題なり意欲の問題を勘案して、教会の名称を変えるという事でございます。この点も私ども教会の変動が激しい一つの原因でございます。」
「教会の移転については、最高が昭和49年の年間387件、10年では2,021件です。そうした変動というのが、不活動法人の生まれる一つの土壌でもあると思われます。」
「新設教会は、この10年で510ヶ所ございまして、年平均50ヶ所程の教会が生まれています。」

以上の報告を合わせて読むと、どのような教団の実情が浮かび上がってくるでしょうか?
先に、長野課長の報告にあった、60歳代でまあ3人に一人、70歳代ではもう2人に一人近くの教会長さんが後継者不足に悩んでいる、という実情もある訳ですから。
そのような後継者不足が現実化して、教会長が出直(死亡)したが後継者がいない例が、10年間で450件以上あって、本部か上級が派遣した人材にあとを継がせ、その分教会財産は、出直した教会長の遺族には相続させなかった、という事でしょう。

派遣された者は感情的問題等から、初代の付けた名称が気に入らず名称改称をしたのが450件もあった、というのです。その際に、教会財産を処分して移転する例も2,021件の移転例の中に相当数含まれていると推察できましょう。

こうしてみますと、新設教会数が10年で510ヶ所という統計は、実情としてはかなり厳しい実態の現れなのではないかと思われます。
これに今後は、3,203ヶ所の後継者不在教会の相当部分が続くことが予想されます。

長野悦司法人課長は次のような数値もあげています。
「天理教の教会数が全体で16,863ヶ所ですが、非法人の教会1,475ヶ所ありますので、法人教会数は15,388ヶ所です。・・・宗教法人天理教の包括する宗教法人の中でも大教会を大規模法人、所属が10以上の分教会を中規模法人、単独で活動しております分教会を小規模法人、という形でとらえております。小規模濃人については、全教会数の中で12,800ヶ所くらいある訳です。全体の70%位が問題とさせて頂いている小規模法人です。」

要するに、部内教会10ヶ所以上ある分教会が中規模法人で、それ以下が小規模法人という分類をしている訳で、全体の教会数との割合では70%位ですが、宗教法人となっている教会数との比較では83%にのぼります。中規模、大規模法人である大教会とで残りの17%を占める訳です。

さて、長野悦司法人課長の結論部分、非常にショッキングな内容です。

「小規模法人を、その教会が所属する大規模または中規模の法人への吸収合併をしていったらと考えている訳です。」

「大・中規模法人へ小規模法人を合併していく、当然財産もそこへ移していく事になりますから、所属する法人の教会の土地建物は、飛び地境内地・境内建物の形になっていくわけです。」

「教会は信者さんの貴い寄付金で賄われている訳ですから、そうした場合の会計処理が問題です。教会の収入は吸収した側の中・大規模法人の会計に参入していく、そして経費は、吸収・合併されて非法人になった教会へ回付していくという形にしなければならないでしょう。」

「給与面につきましては、法人である所属する大・中規模法人から出ているのだということでも、これは筋が通るのではないかと考えております。」

長野法人課長はさすがに法律の専門家だけあって、言葉を注意深く使用しています。
この中で、「小規模法人を中規模法人に吸収・合併する」ではなく「大・中規模法人へ小規模法人を合併・吸収していく」と言っている点注意が必要です。
 これは、小規模法人は中規模法人に吸収されるのではなく、中規模法人を飛び越えて大規模法人(つまり大教会)に吸収・合併される事もありますよ、いや、それが当たり前になるかもしれませんよ、と言っています。

直属の大教会は、現在151ヶ所です。

 仮に、その大教会に小規模法人である分教会が合併・吸収されていったとしたら、部下教会をもぎ取られた中規模法人である分教会はどうなるでしょうか?その結論は容易に想像できます。
 仮に、大教会に皆吸収されるようになったら、その大教会は今度は天理教教会本部に吸収・合併されないという保証は何処にあるのでしょうか?そして、天理教維持財団への一切合切の寄附というシナリオを想像する事が出来ないでしょうか?
 今ですら、モノ言えぬ教団の中にあって、その時になって誰が異議を差し挟むことができるでしょうか?

(加藤ハルアキ注:引用の中の文章に『会計は中・大規模法人に算入されても、経費は吸収され非法人になった教会に回付(=負担)させる』というのも衝撃的な発言だ。吸収して財産やお供えを全部取り上げても、教会の維持管理運営費は、元の教会で負担しなければならない、と言っている。)

長野法人課長は、
「現場の担当者の一私案である」
と言いつつ
「近い将来、代表役員(表統領と推測)の下に研究グループを編成して、一つの審議を経たうえで、当然教団内部のコンセンサスをとりまとめる」
のが筋だ、と述べている。

これは当然の事であるが、失礼ながら教団本部の教庁の、一課長の立場で、堂々と外部の公式な研究会の場で一私案とは思えないようなショッキングな内容の報告をしたり、近い将来表統領の下で研究グループを編成するとか、教団内のコンセンサスを取りまとめるとか言えるのでしょうか。
 こう考えると、すでに教団トップの了解・合意、いわゆるゴーサインがあった上での報告と考えなければ理解できるものではありません。逆に言えば、トップの意思はもう決定しているとみて、今後に対処しなければならないのではないでしょうか。

今回ご紹介した長野論文の内容を検討した結果としては、もはや教団内部での「教祖の教え」への復元は絶望的だと判断せざるを得ません。
 一度とにかく皆が、本部から離脱独立して、お互いに対等平等な立場で、ゆるやかな再度の統合を計画していかないと、「一列兄弟」の教祖の教えに復元した教団は実現しないのではないでしょうか。

ある人から薄い冊子が届く。
そこには、宗教法人法に関する講演の内容が載っていた。
全文は載せられないので、抜粋して転載(多少編集)させて頂く。
ちなみに、お話は「現職の寺院住職であり弁護士でもある」方で、冊子の発行日は1986年(30年以上前!!)です。もっと早く手に入れていれば、私自身の手続は十分な準備が出来たなと考えます。

1.はじめに
はじめに自己紹介を簡単に(中略)。
天理教内部の様々な無理とか矛盾とかが、一挙に噴き出しております事は皆様のよくよくご承知のところであります。
 そのような実情のもとで「本部の姿勢にはついて行けないから、いっそのこと、もう天理教を教会ごと抜けたいがどうにかならないものか」とか「おやさまの真の教えを伝えていきたいので、自由にそれができる方法はないものか」とか、更には「後継者がないので、この際本部とは縁切りしたいが、いい方法はないものか」とかの深刻な悩みを持つ教会長・布教助長さんが大変多くいらっしゃるという事を知ることができました。
このような皆様の疑問と悩みに対する法律的な回答は「本部を抜ける方法はある」というものです。
それも立派に憲法と宗教法人法によって、とっくの昔から皆様の為に用意されている、というものです。

2.知られていない宗教法人法
皆様は、一体ご自分の教会の規則が頭に入っているでしょうか。「宗教法人天理教〇〇分教会規則」というようなモノが皆様の教会にはそれぞれある訳ですが、それをよく見た事もない、という方が多いのではないでしょうか。
私は、今日宗教団体に関係し、少なくとも役員になっている方々には、宗教法人法とか自分の教会規則とか、更には教団本部の規定集とに目を通しておかなければならないものだ、と思う訳です。
 宗教法人の問題は、憲法と宗教に関する特別法である宗教法人法によって規定され運用されています。この宗教法人法の中に、教団本部から教会や寺院などが離脱する方法について詳細に規定されている訳です。そして、本部から離脱する自由(権利)は、全ての宗教法人に認められた自由であり、天理教だけにはこの自由が認められない、というようなものではありません。ところが、この事を知らない、知らされていない天理教人が、実際の所大多数なのではないかと思われます。

3.本部離脱の方法
①包括・被包括関係とは
 個々の教会や寺院をまとめて組織している教団や宗派を「包括宗教団体」とよび、その包括宗教団体が宗教法人であれば「包括法人」と呼びます。
 この包括法人に対して、その教団や宗派に所属する個々の教会や寺院で宗教法人であるものを「被包括法人」と言い、包括法人に所属するような関係を「被包括関係」と呼んでいます。
 天理教に当てはめると、「主教法人天理教(天理教教庁)」は被包括法人であり、これに対して個々の大教会や分教会などの一般教会は被包括法人であり、この両者の関係を被包括関係と呼ぶことになります。

②包括法人からの離脱・脱退の自由
 戦前の天皇を主権者とする帝国憲法のもとでは信教の自由は認められず、この事から教会や寺院が所属する教団や宗派を離脱・脱退したり、独立の教団や宗派を設立する事は事実上禁止されていました。
 戦後の国民主権のもとでの憲法によってはじめて完全な信教の自由が認められ、この憲法をうけて出来た宗教法人法は、教団や宗派からの離脱・脱退や独立の教団の新設を全く自由に行えるものとしたわけです。 宗教法人法では、この離脱・脱退のことを「被包括関係の廃止」とよんで、それぞれの教会の規則の上で教団や宗派に包括される事になっている部分を変更する、規則変更の手続きの一種としてその手順を定めています。

③責任役員会議での決定
 まず必要な事は、被包括関係の廃止について(つまり、天理教から離脱することについて)、教会内部の意思決定をはかる事です。意思決定は、宗教法人である教会・分教会などでは責任役員会議で決定する事になります。
 変更する予定の被包括関係廃止の教会規則案を会議にかけ、その規則変更を決定する訳ですが、天理教の一般教会の規則では「責任役員全員の同意」が必要(一般教会規則第28条)となっています。責任役員が一致して問題を理解する事が大切です。(どうしても問題の理解が出来ない責任役員がいる場合は、教会長は他の責任役員に相談した上でその役員を解任する事も出来ます。)

④本部への通知と公告
 責任役員会で離脱の決定を致しましたら次に、
イ)規則変更案の要旨を示して、その旨を信者その他の利害関係人に対して公告をする事
ロ)この公告と同時に、被包括関係を廃止する事を包括法人宛に通知する事(離脱通知)
この2つをやらなければなりません。(宗教法人法第26条第二項、第三項)
 公告とは、通常教会(事務所)の掲示板に10日間掲示する事を言います(一般教会規則第5条)。決まった掲示板がなければ、適当な場所を新たに決めて掲示すれば足ります。掲示板は、建物の内部でも外部でもどちらでも構いません。掲示は写真を撮影して掲示の事実を5人の人に証明して貰えるよう手配が必要です。
 離脱通知は内容証明郵便で、包括法人つまり「宗教法人天理教」(天理教教庁)宛に通知します。

⑤知事に対する法人規則変更認証の申請
 公告と離脱通知が済みましたら、次に所轄官庁(都道府県知事)に対して「規則変更認証申請」をすます。ただしこの認証申請をするには、公告期間10日間の経過後さらに2ヶ月経った後でなければなりません(宗教法人法第26条第二項)。
 この2ヶ月間と10日の期間は、信者その他の利害関係人らに意見を述べる期間を保証しようというモノです。もちろん、その意見を聞き入れるか否かは全く自由というものに過ぎません。

⑥受理通知と認証書の確認
 こうして規則変更申請を提出いたしますと、必要な書類が整っていれば「申請書受理通知」が所轄庁から発行されます。所轄庁はこの正式受理から三ヶ月以内に最終的な認証決定の判断を下さなければなりません。
 以上によって、所轄庁による宗教法人規則変更認証申請の認証手続きが終了しますと、認証書が交付されます。この認証書の交付によって規則変更は効力を発生する事になってます(宗教法人法第30条)。
その後の手続として登記手続きがありますが、省略します。

⑦包括法人の権限の停止
 ここで規則変更手続きに「大教会代表役員の同意」や「天理教代表役員の承認」は必要ないのか、疑問に思っておられる方がおありでしょう。
 そもそも、離脱独立をするための規則変更について、大教会長さんや本部の表統領が同意や承認をしてくれるでしょうか?そんな事は問わずもがなでしょう。
この「あらかじめ断られる事の分かっている同意や承認を不要とするために、宗教法人法は特別な条項を定めました。それは「被包括関係を廃止するための規則の変更」をしようとする場合は、包括団体が「一定の権限を有する旨の定めがある場合でも、その権限に関する規則の規定による事を要しないものとする」という同法26条第一項の規定です。表統領の承認や大教会長の同意は、当然のことながら、本部を離脱しようとする場合には不要だということになります。

⑧不利益処分の禁止
 つぎに、宗教法人法が定めているもう一つ大切な事で「不利益処分の禁止」があります。
 せっかく教団本部からの離脱を自由だとしましても、実際には離脱の通知を教団本部にしてから離脱の規則変更が所轄庁で認証になって離脱が効力を発生するまでに、どんなに短くても2ヶ月10日間以上掛かってしまいます。その間に、もしも教団本部から離脱しようとする教会の会長さんが罷免されてしまったらどうなるでしょうか?罷免されて新たに本部の息のかかった人が教会長として特命できるとなりますと、その時点で離脱手続きは挫折してしまい、憲法と宗教法人法によって認められた、信教の自由に基づく制度が無意味になってしまいます。
 そこで宗教法人法第78条に規定を設けて、離脱に関してなされる不利益処分を禁止しました。その内容は、
第一に、離脱通告の前後で離脱しようとする教会の代表役員やその他の役員を解任したり資格停止にするなどの不利益処分を一切禁止する、ということ。
次に、この禁止を破ってした不利益処分は一切無効だということ。
 無効という事は、仮に解任などの処分をしても裁判所がこの主教法人法の規定に基づいて、処分の無かった事にすることができ、解任された教会長さんやその他の役員さんの地位が復活する、ということです。
 この規定は、実によく教団本部というものの本性を見抜いた規定だと言わざるをえません。実際の所、このような規定を設けなければ本部からの離脱などは教祖様の時代同様に不可能となってしまうでしょう。
 こうして、教団本部からの離脱の自由は二重三重に、憲法と宗教法人法によって守られているのです。

最後に一言、私の思いを付け加えさせて頂きます。
 今日の天理教団をどのように手直ししたら教祖の願いである「平らな世の中で、一列兄弟が助け合う陽気な教団」になれるのか。現在のように分教会長さんは大教会長さんの言いなり、大教会長は本部の言いなり、本部員にあらざれば人にあらず、生まれと地位身分によって明らかな差別社会が肯定されている、こうした全く他に類例を見ないほどの封建体制・幕藩体制下にある教団の現状をどのようにしたら「一列兄弟の教団」にできるのか。真柱・表内統領、本部員を含めて一列兄弟になれる日は何時のなのだろうか。
 私の一存で真柱さんに対して、信仰者としての問題解決を訴える手紙を出してみましたが、非常に残念な事に、彼にも彼の取り巻きにも、そうした信仰者としての問題解決能力は現状では全く見られませんでした。
「教祖の残念」を100年祭で語ったお方が、我が身思案で問題解決を受け止められておられるのではないか、と心配です。
いずれは残念を残念と受け止められることのあることを信じつつも、現状では「一列兄弟」を実現するには、教団本部との法律上の関係を一時的にせよ解消して、本部や上級の不当な支配が及ばない教会を多数作りながら、そうした教会が横に兄弟として連帯をし、「一列兄弟」のひながたを作って見せる以外にない、と確信するに至ったのです。
 ここで注意して頂きたいのは、法律上の関係を解消することになる「被包括関係廃止手続」は、信仰上の天理教団との関係までも解消する事になるモノではない、という事です。
「教祖の弟子に変わりなく、心も言葉も行動も、お道の人間として皆様と同じ教の中におりますので、これからも相変わらずのお付き合いを頂きたいと思います。」という事が真実の信仰者の立場であると確信しておりますので、誤解なきように申し上げておきます。

 この際、布教所も分教会も大教会も、大いにどんどん本部から法律上独立して、一日も早く本部も含めた天理教教団全体が「一列兄弟」を実現する教団に、再度の統合が出来ますように、困難であっても進んでいく以外にないと考えるモノです。

緊急インタビュー

2017年08月07日
この日、私、加藤ハルアキ(ペンネーム)は末端教会役員という人物に久しぶりに呼び出された。
用件はある「インタビュー記事」を書いて欲しいとの事だ。

最近この人物が自身の実家の教会(宗教法人)について、その所属する宗教団体から被包括関係廃止手続きを行いその様子をネットにアップしていて、その手続きが完了(被包括関係を廃止)した事は知っていたが、この「インタビュー」というのがよく分からない。

ハルアキ「末端教会役員さん、お久しぶりですね。もう、お声が掛かる事はないかと思っていましたよ。」
末端役員「本当に久しぶりです。長期間連絡しなかった事はお詫びしますけど、そんな嫌味っぽい言い方しないで下さい。」

ハ「これは失礼、こういう性格なのでご容赦願いたい。で、今日は『インタビュー記事を書いて欲しい』との事ですが、どういう事なのでしょう?」
末「ええ、私が実家の教会(宗教法人)について、その包括団体との関係を廃止したのはご存知でしょ?」

ハ「そうでしたね。大変お疲れさまでした。記事を読ませて頂いただけでも、色々な事件や問題が有ったようで。全て終了した今のご気分はいかがですか?」
末「今はとてもスッキリしています。背中の重荷が取れたというか、頭の上の暗雲が消え去ったというか、面倒な事を片付けた達成感もあります。」

ハ「そうでしょうね。それで今後、現実の教会運営とネットの事と2つの事があると思うのですが、どうなさるおつもりなのですか?」
末「ええ。まず現実の教会運営については、記事にも書いていたように『教祖様の教えてくれたつとめとお話』を基本にして自分の信仰と教会の運営をしていくだけです。」
ハ「具体的にはどのように?」

末「信者さんらしい信者さんは居なくなってしまいましたが、『教祖様の教え』を守って『かんろだいを囲んだおつとめ』をして、その意味と内容を伝えていきたいと思います。幸い、頼れる協力者(妹)も居ますし。教会自体で何をやるかと云う点では、記事の中ではかなり『格好つけた事』を言ってしまいましたが、現実に考えれば今すぐに出来るような、実現できるような力は有りません。それに、私自身他に仕事を持っていますから教会の事だけをしている訳にも行かないし、教会だけでは生活できません。まずは出来る事を一つずつ、無理はしない、ですかね。」
ハ「なるほど、まあ、計画ややりたい事は色々あるけど、まだ構想段階だという事でしょうか?」
末「そうですね(笑)」

ハ「では、ネットの事についてお伺いしますが、この記事の反応というか反響はそれなりにあったのでは?」
末「はい。掲載中から応援や励ましのメッセージを多数いただきました。この場をお借りしてお礼と感謝を申し上げたいと思います。また、私と同じような環境や立場で悩んだり、苦しい思いをされている方からご相談やお問い合せも頂いています。『自分が助かった事を人様にお話しさせて頂くのが人助けやで』という教祖様の教えに従えば、この記事を発表した事は間違いではなかったと思っていますし、意義の有る事だと思います。勿論、世の中には色々な考えがありますし、その人の立場や考え方によっては、記事の公表に批判や否定的な考えもあるでしょうが、一つの考え方や情報だと思って頂ければと思っています。」

ハ「なるほど。では、記事の内容や実際の出来事について幾つか質問させて頂いてよろしいでしょうか?」
末「はい、どうぞ。」

ハ「まず、今回『被包括関係廃止』という選択をされた訳ですが、これはどうしてでしょう?神様をお返しする、信仰をヤメルという選択肢も有ったのではないかと思いますが?逆に言えば、その方が上級の態度や対応が穏やかだったように思えます。被包括廃止手続では、真っ向から戦いを挑むようなものですからね。」
末「確かにそうです。ただ、生まれた時から教会があって、教会の中で遊んだり過ごした時間を考えると、単に建物だけが残れば良いという問題ではないのです。記事の中にも書きましたけど、教祖様の教えというか、真実の教えが知りたいという思いは私の血肉であり骨格を形成していると言って過言ではありません。宗教法人を解散して個人で信仰を続ければ良いという考えもあるでしょうが、現実に教祖様の教えを伝えたい、現実の形にしようと思ったら、宗教法人を残しておいた方が便利ですし、色々と活用できるのです。不動産の固定資産税だって免除になりますしね。」

ハ「教会や住宅の不動産は会長の個人名義でしたね?まずはそれを書き換える訳ですか?」
末「そうですね。今の状態が落ち着いたら、不十分だった規則の変更と不動産の名義変更に取り組みたいと思います。」

ハ「なるほど。ところで、記事では一切触れていませんでしたが、この教会には5年ほど前まで部下教会が有りましたよね?布教所も一つ。それで『末端』と名乗っていたのは如何なのでしょう?」
末「確かにそうですね。でも、部下教会のおメドウを引き上げて来た段階で末端に転落したわけですから良いじゃないですか(笑)」

ハ「その部下教会を引き上げる件では、会長(末端役員の父)さんもご苦労をされたのでしょうね?」
末「はい。そのやり取りや話合いは5年ほど掛ったようです。その間、全部ではありませんが父からいろいろ聞いています。それに、部下教会と言ってもその指導や管理、尽くし運びなどの流れは、うちの上級に握られていて此方には何もありません。会長(父)は部下教会の月次祭に毎月行ってましたが、僅かなお礼とお車代を貰って来るだけでした。それも、上級に渡す分に入れないと間に合わない状態だったのです。」

ハ「なるほど。その5年間のやり取りは、今回の被包括関係廃止の記事とは逆の立場になる訳ですね?それはそれで記事にすれば面白そうな内容になるかと思いますが?」
末「そういう見方も出来ますね。機会があれば記事にしましょうか?」

ハ「そうですね、期待せずに待ちましょう。では、この一連の手続きの中で、一番印象に残っている事は何でしょう?」
末「そうですね。やはり、父を連れて官庁に行き、認証書を受取った時でしょうか。」

ハ「なるほど、1年半の苦労が結ばれた瞬間ですね。」
末「はい。当初は上級と縁を切る事に躊躇いを感じていた父でしたが、途中からは納得してくれて、最後、出発の朝などは私に感謝と労いの言葉を掛けてくれました。親孝行のつもりで始めた事ではありませんが、結果的には喜んで貰えて良かったなと感じています。」

ハ「なるほど。記事の中で読者の方から評判や支持が高かったのは『大教会長からの電話』だったかと思います。お供えを出さなくてもいいように配慮するから申請を取り下げなさい、という大教会長さんの提案をキッパリ断った出来事でしたが、これについては何かございますか?」
末「多分、普段多くの人が感じていても口に出せない、直接訴える事も出来ないような話を『本当にぶつけた』ので、多くの方が共感し支持してくれたのだと思います。天理教の組織では、下の者から上の者に意見してはいけないという雰囲気というか、不文律がありますから。」

ハ「確かにそうですね。最後の大教会のN役員との議論などは、部下教会の会長さんやまして子弟などでは有り得ない感じがしましたが。」
末「そうかもしれません。まあ、あの段階で官庁から返答を貰っていたので、強気で言いたい事を言ってしまったという所です。ただ、あの議論では、実は、私の主張の方がおかしいのですけども。」

ハ「どういう事ですか?」
末「天理教の組織の中では、『教祖様の教え』は言ってはいけないのですよ。」
ハ「??」
末「教会規則を理解している人はお判りだと思いますが、教会規則の目的は『天理教教典に依拠して』となっています。つまり、教会の中では『天理教教典』以外の事を教えてはいけないのです。もちろん、教典にも『ひながた』の章があり、教祖様の事に触れてはいますが、あくまで『教典に書かれている内容と教え』でなければならないのです。」

ハ「でも、天理教教典は三原典である、みかぐらうた、おふでさき、おさしずから作成されたものですよね。みかぐらうたとおふでさきは教祖様の直接の教えなのですから、教祖様の教えを言ってはいけないというのは意味が分かりませんが?」
末「天理教教典がみかぐらうたの精神や内容から乖離しているという指摘は、教内でも多数ある事はご存知かと思います。でも、規則では教典に依拠して話をしないといけない。教典に反するような事や矛盾する事を主張するのは、異端なのです(笑)」

ハ「でも、修養科などでは教祖伝を学び、教祖様のひな型を辿れと教えています。これはどういう事なんでしょうか?」
末「正確な所は分かりませんが、本部と言われる宗教法人天理教や宗教法人天理教教会本部は、一般の教会とは規則が違う、目的部分も違う内容なのではないかと思えます。そうじゃないと、教典に矛盾する教組伝の事を教えられませんからね。だから私の立場で『教祖様の教えじゃなかったら安心して信仰できない』という主張は間違いなのです。」


ハ「なるほど、そんな事情があったのですね。後は、ネットでの過去記事を全て削除した事がありましたよね?読者の方には何事かと心配された方もいらっしゃったと思いますが、その辺りをご説明願いますか?」
末「はい。その際にご心配をお掛けした方、ご不審に思われた方には改めてお詫びします。
事情を説明しますと、丁度、官庁の認証が下りる直前だったのですが、上級側がこのネットの記事の存在を嗅ぎつけたという情報が入りました。この記事は、最初にフィクションともノンフィクションとも書かずに、実名こそ出してはいないモノの、読む人が読めば全て分かってしまいます。当然ながら登場人物に記事にする事の承諾などは貰っていません。特に、大教会長さん等は役職名であっても個人の特定をしているようなものですから、その個人情報に近い内容や電話でのやり取りを記事にする事は、例え事実であっても『名誉棄損』と言われてしまう事も考えられます。会話ややり取りなどを全て記録している訳でもなく、多少の編集や言葉を変えたりしていますから、本人達からすれば、記事の内容が『事実と異なる』という指摘もあるかもしれません。上級側が捨て身でその作戦を取ってきたら、泥沼の争いになる可能性も0ではないのです。それで削除させて貰った訳です。」

ハ「なるほど、理由は分かりました。しかし、そうすると削除した過去記事は二度と表に出せないという事になりますか?」
末「このままでは難しいでしょうね。だから、貴方に来て貰ったのですから(笑)」

ハ「相変わらず用意周到というか、考える事がズルいですよ(笑)」
末「まぁ、そう言わないで下さい(笑)。実は、独立後の宗教法人のネットでの公開について、責任役員会議で否決されてしまって、今の段階では、公式には出来なくなってしまったのです。」

ハ「責任役員会議というと、貴方と父上、妹さんの三人ですよね?」
末「そうです。妹は、この記事を同じような状況で悩み苦しんでいる教会や人に教えてあげたいという点では賛成してくれているのですが、先程のようなリスクがあるので、全部を公表して旦那さんや嫁ぎ先の家に迷惑が掛かるのは避けて欲しい、という事です。」

ハ「なるほど、尤もですね。」
末「で、記事の原稿もサイトのURLも全て貴方に譲りますので、イイ形にして欲しいのです。」

ハ「全く、20年ぶりかと思ったらそんな用件とは。そんな事を言われても、どこまで出来るか分からないし、貴方の意図する内容をそのまま伝えられるとは限らないじゃないですか。」
末「構いません。ハルアキさんがここで見て聞いて感じた事を、ハルアキさんの思う通りにしてくれて結構です。無理せず、出来る範囲で結構ですから。ただ、問い合わせや相談の人がいたら、そのまま私に伝えてください。そして、私の言葉をそのまま伝えてあげてください。ハルアキさんならやってくれると思っていますよ。」

ハ「仕方ないなぁ。まぁ、末端教会役員さんとは一心同体みたいなモノですからね。出来る範囲でイイなら協力させて貰いますが。」
末「そうそう、それでこそ適材適所、役割分担という『かんろだいの理』の教えに沿う事です。」

ハ「いや、私は信者ではないのだから勘弁して下さい。」
末「そうでしたね。まぁ、後は頼みます。」

ハ「では、最後に読者の皆様に一言。」
末「はい、ここまで読んで頂いた方に感謝とお礼を申し上げます。また、この記事がどの程度参考になるか分かりませんが、被包括関係を廃止したいと考えていらっしゃる方には、慎重に事を進めて頂きたいと思います。これはあくまでも一つの情報ですので、この通りにやれば間違いない等とはとても言えません。重要なのは事前の準備と責任役員同士の結束です。公告開始から官庁に申請書を出す2ヶ月半の期間が勝負だと言えるでしょう。何かあればご相談に乗らせて頂きたいと考えていますので、遠慮なくご相談ください。宜しくお願いします。」

ハ「ということで、私からも読者の皆様に感謝とお礼を申し上げます。これからも宜しくお願いします。」



以上で「被包括関係廃止実行編」を終わらせて頂きます。
なお、削除した過去記事は、加筆修正して「フィクション」として別のサイトにUPさせて貰ってます(タイトル『1/17000の闘争と逃走』)
トップページのリンク集からご覧ください。

皆様には、長い間お付き合いいただき有難うございました。
また、追加や関連する事、もしくは、手続き中には書けなかった話や裏話(笑)などをハルアキさんにお願いして書かせて頂くかもしれませんので、たまには覗きに来てください。

皆様の今後のご健康とご多幸を願いつつ、失礼します。