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つくりとるなら

2020年10月26日
(前回より)


責「ですから、日本中の難渋している人を救うため、救い上げるために、給付金を何度でも、毎月でも支給すれば良いんですよ。」

ハ「毎月となると、最近ネットでも話題になっているベーシック=インカムというのがありますけど、それとは違うのですか?」


責「あぁ、全国民に一定金額を配布するというBI(ベーシック=インカム)ですね?でも、お話ししている人によって内容が違うので、現時点ではとても政策に取り入れられる段階ではありません。でも、給付金は既に実績がありますから、あとは、金額と回数だけ政府が決定すればOKです。」

ハ「そうですね。でも、こういう経済だの政治だののお話しは宗教っぽくないですねぇ。(笑)」


責「おや、ハルアキさんにしては頭の固い事を言いますね(笑)。」

ハ「固いですか?」


責「中山みきさんは『宗教をつくれ』なんて一言も言ってませんよ。『信心』とは言っていますが、それも、教え=理を守れという信心です。」

ハ「以前、責任役員さんは『中山みきさんの教えが宗教という形ではなくて、道徳とか哲学、社会規範や人の価値観として広まっていたら、もう少しマシな世の中になっていたかもしれないのに』と言ってましたが、それと政治や経済の話は関係ありますか?」


責「日本には政教分離の大原則があります。戦争に負けるまでは国家神道体制でしたから、敗戦によるGHQの方針の一つに従った訳です。でも、宗教を信仰している人が政治に関わってはいけないという訳ではありませんよね。実際に、宗教団体を支持母体とする政党もありますし、宗教家が立候補して政治家になることだって不可能ではありません。勿論、私が言いたいのはそこまでのお話しではなくて、宗教を信仰しているからといって、政治や経済の問題を放っておいていいという訳ではない、という事です。」

ハ「まぁ、信仰の如何に関わらず、日本国民として18歳以上になれば、選挙権がある訳ですからね。政治に無関心というのは問題ですね。」


責「はい。日本をもっと良い社会にしようと思ったら、そういう理念や政策を掲げる政党や政治家を選んで投票しなければいけないのです。さすがに中山みきさんのいう『誰も苦しむ人のいない陽気づくめの世』を実現できるような政策を掲げる政治家や政党はありませんが、色々比較して、それに一番近い政策を掲げる政治家や政党を選ぶべきでしょう。先ほどの給付金の話ではありませんが、そういう政策を掲げている政治家はいますからね。」

ハ「なるほど、個人で難渋に10万円配るのは大変ですし、全ての難渋となると、いくらお金があっても足りませんからね。」


責「でも、政府がやるなら、簡単に、あっという間に実現するんです。それを考えたら、選挙の時はキチンと考えないとダメだと分かります。勿論、教会や教団が『誰々に投票しろ』とか『〇〇党をよろしく』なんていうのはダメですよ(笑)。」

ハ「なるほど、あくまでも銘々の判断で投票する、させるべきですね。」


責「それが中山みきさんの教えですから。」

ハ「なるほど、本日はありがとうございました。」


責「いえいえ、あぁ、ハルアキさん。ピーマンはお好きですか?」

ハ「え?えぇ、ピーマンの肉詰めなんて大好きですよ。」


責「じゃぁ、昨日教会の献饌畑で採れたピーマンがありますから、差し上げますよ。後は、ナスとプチトマトも。どれも、私が育てて収穫したものですから。」

ハ「おや、それは有難うございます。遠慮なく。」


責「それに、収穫して神様にお供えした御下がりです。かんろだいつとめのお供えした野菜ですから、きっと美味しいと思いますので。」

ハ「本当ですかぁ(笑)。責任役員さんの教義の解釈やお話しの流れからすると、献饌物だから味や栄養が変わるとは思えませんけど(笑)。」


責「そうですね、さすがハルアキさん、よく聞き分けていますね(笑)。でも、この野菜を苗から育てて実を付けるまでの間、私が雑草を取ったり、支柱を立てて枝を結んだり、追肥をしたり、雨が降らない日が続いたら水をあげたりして育ててきたんです。それを想像してくれたら、やっぱり『美味しくなる』と思いますよ。」

ハ「そういう事なら、信者さんも喜んで美味しく頂けますね(笑)。」


責「えぇ、そういう事です。(笑)」

(了)


(前回から)


責「ではまず、改めて二下り目を見てみましょうか。」

とんとんとんと正月おどりはじめはやれおもしろい
二つ ふしぎなふしんかかればやれにぎわしや
三つ みにつく
四つ よなおり
五つ いづれもつきくるならば
六つ むほんのねをきろう
七つ なんじゅうをすくいあぐれば
八つ やまいのねをきろう
九つ こころをさだめいよなら
十で ところのおさまりや


責「この『七つ なんじゅうをすくいあぐれば』の部分が、『高山削って谷底埋めて 世界ろくぢに踏み均す』の一列兄弟、平等思想に結び付いていると思うのですけど、どうでしょうか?」

ハ「えぇ、そうです。難渋を救って平等にするのですから、高い所を削って低い所を埋めるのが当然だと思いますけど、この解釈が中山みきさんの教えとはズレているのでしょうか?」


責「先ほどもお話がありましたけど、蓄財心が当たり前で動いている世の中で、自分一人だけで散財心で生活する事は成り立たない、という部分です。教えを共にする人達の中では、余裕のある人から取って、いや、出して貰って、難渋の人達に配る、でOKなんです。でも、世間一般の価値観は、余裕のある人達でも出したくないと思ってる人が普通でしょう?(笑)。」

ハ「自分たちは一生懸命貯めたのだから分けてなんかやるものか、というのが普通の考え方ですね。」


責「しかも、そういう余裕のある人、力を持っている人の方が権力や社会的影響力を持ってる場合が多いのが現実社会です。これが今の価値観で出来ている社会ですから、その人達に『高山削って谷底埋めろ』と言っても、なかなか言う事を聞いてくれる訳がないです。」

ハ「だからこそ、中山みきさんの教えが重要になるのだと思いますけど。」


責「まぁ、そうですね。一下り目の教えの理としては『散財心を定めて、なにかに作りとりなさい』と教えてくれているだけです。自国の通貨を発行できる政府がお金を作って難渋に給付金を配るのですから、これほど『教えの理』に沿った政策はないと思いますよ(笑)。わざわざ、抵抗や反対する人がいる『高山を削れ』なんて言う必要は何処にもありませんね。わざわざ『謀反の根』を作るような事をしなくてもいいじゃないですか。」

ハ「給付金の支給に差を設ける事は『謀反の根』ですか。なんか納得しにくい部分もありますが、政府がお金を発行して給付金を配るというのは良い政策ですね(笑)。」


責「それにこれは政策としての提案のようなモノですから、支給される人に差別を設けるのはあまりよろしく無いように感じます。」

ハ「『削れ』と言われた人たちが反対するのは目に見えていますから、『全員に』という主張がポイントですか。」


責「ネットなどにも、銀行員の給料が高すぎるとか、公務員の待遇が恵まれているとか、国会議員は議会中寝てばかりいるくせに報酬が高すぎるから減らせ、等という意見を言う人がいます。逆なんです。収入の低い人達、非正規雇用やアルバイトの給料を上げろ、と言わなければならないのです。同じくらいまでとは言いませんけどね。」

ハ「いわゆる、底上げですね。確かに、世間一般の考え方や価値観とは逆ですね」


責「多くの人が、世の中を平等にするためには上を削って下を底上げする、と思ってしまう理由なのですけど、これにはこれまでの宗教観が大きく影響しているように思えます。つまり、この世の中は神様が作って人間に与えられたものだ、だから、世界中のモノは全体の量が決まっているのだ、という考え方です。」

ハ「全体の量が決まっているなら、持てる人から持たざる人に配らないと平等になりませんね。」


責「でも持てる人もそう簡単には手放そうとはしませんから、結局は奪い合いの世界になってしまうのです。これでは獣の世界と変わりがありません。中山みきさんの教えとは真逆の世界です。根本から変えなければならない訳です。」

ハ「ええと、一下り目の『なにかに作りとれば豊かになる』、という事ですか?確かに、必要なモノは作れば良いのですから、沢山作れば皆で分け合えるし豊かになります。でも、世の中には量が決まっているモノもありますよね?資源とか土地とか・・・。」


責「確かに、原油や鉱物などは限りがありますね。でもハルアキさん、私たちが子供の頃、『世界の原油はあと30年程で枯渇する』って教えて貰いませんでしたか?」

ハ「ええと、確かに社会科でそんな事を言っていたような・・・。」


責「それから何年経ってますか?今でも『後30年』とかいう話も聞きますが、産油国が価格を維持するために生産調整をしている状態じゃないですか。

ハ「今でも新しい油田が見つかっていますし、採掘技術も上がってますね。」


責「まぁ、この大きな地球ですから人類が使う分くらいは枯渇する事はないと思います。枯渇するとしたら、それは地下資源は掘り出しているだけで増やしてはいないからですね。」

ハ「あぁ、資源などの無生物は、米や野菜、家畜などと違って栽培や飼育などで増やすことは出来ませんからね。加工したり組み合わせて形を変えるだけですから、総量としては変わりませんね。核融合で元素から組成すれば話は違うかもしれませんけど。」


責「そして、お金=通貨は生産して増やす事ができるものです。勿論、生産して良いのはその権利がある所、日本なら政府=日銀だけですが。」


(続く)

世界ろくぢ

2020年10月18日
(前回からの続き)


責「実際には、多少現金が増えたくらいでは貯蓄に回したり企業が内部留保にしたりしますから、1000兆円から1500兆円の貨幣や新規国債を発行しないダメでしょうね。」

ハ「いやはや、それに比べたら12兆円くらいはどうという事はないですね。」


責「実際に、政府機関の試算によると、全国民に毎月10万円支給を続けても、インフレ率は2%にも届きません。これは、今の国家予算とは別にやっても、ですから。」

ハ「なるほど。近年の子供や単身女性の貧困問題を考えれば、毎月の給付金支給は是非とも実現して欲しいところですよね。ところで、これと中山みきさんの教えとの関連性はどのようなモノなのでしょう?」


責「はい。この国民全員に毎月十万円の給付金支給する政策は、中山みきさんの教えである『難渋を救い上げる』にほぼ一致すると思われます。全国民の中の『難渋』を救う政策として、これほど簡単で確実な方法は見当たりません。」

ハ「毎月十万円支給されるとなると、子供の貧困問題、独身女性の貧困、あるいは、コロナ禍での派遣切りやアルバイトが出勤日数を減らされたりなど、困っている人達は救われますね。」


責「はい。政府のGO To 政策も、旅行業界や飲食業界などを救うという点では間違っていないのですが、範囲が狭すぎます。それも、結局は事業者視線で支援や応援しようという施策になりますから、それらに関係ないで収入や売上の減った人たちにまでは波及するのに時間もかかります。それでは今現在困っている人には届きません。」

ハ「政府の政策は難渋を救うという点でも限りがある訳ですね。」

責「その点、国民全員に給付金の支給をするなら、業界業種に関係なく救われます。これこそ、一列兄弟全てに難渋を救う事になると思います。」

ハ「でも、国民全員となると、難渋ではない人、今でも収入があってそれほど困っていない人にも支給されることになりますよね。勿論、どんなにお金持ちでも十万円支給されれば嬉しいと思いますけど、もともと高給取りの人にも支給されるのはどうなのでしょう?」


責「お金持ち、富裕層にも支給されても別に良いのではないでしょうか?」

ハ「え?だって、『難渋を救う』のなら困っている人に支給すればいいので、困っていない人にまで支給しなくてもいいと思いますけど?」


責「それも一つの考え方ですね。でも、今余裕のある人も同じく十万円貰えたとして、余裕のない人も貰えるのですから、何か不都合がありますか?」

ハ「え、いや、あの、不都合はありませんけど、何というか、気持ちの問題でしょうか。もう既に余裕があるのだからこれ以上は必要ないだろうと。それが平等というか世界が平ら・・・、そう、『世界ろくぢ』ではないのですか?」


責「あぁ、なるほど。確かに道の先人達がお酒に酔うと『高山削って谷底埋めて、世界ろくぢに踏み均す。』という唄をうたったというお話しは聞いたことがあります。だから、今現在余裕のある人から税金をとって、余裕のない人や困っている人に配ればいいという訳ですね?」

ハ「えぇ、そうです。それが世直し、世界を一列兄弟、平等の世の中にする人助けだと思いますけど。」


責「ハッキリ言いましょう。それは、中山みきさんの教えからはズレています。」

ハ「え?え?え?ズレているって、どの部分がですか?」


(続く)

(続き)


責「ハルアキさん、それは、一人だけ散財心で生活しても無理なのは当然ですよ。だから、中山みきさんは『講をつくれ』と教えてくれたのです。教えを守る人が集まり、その中で散財心を守って生活する事で豊かさが手に入るのです。」

ハ「あ、これは失礼。教えを守り、志を同じくする者が散財心で助け合っていく訳ですね。」


責「世間一般では『蓄財心』で仕事をし、他人と付き合い、生活するのが当たり前の世の中社会です。それが普通のことであり、その価値観で世の中の人は生きている。勿論、中には多少『散財心』を持っていて、気前のいい人や、困っている人を助けたい、ボランティアや寄附をする事に喜びを感じる人もいます。でも、殆どの人は、蓄財心で貯め込むことが豊かであり、貯めた金額を競い合うような生き方をしています。これは、中山みきさんの教えとは真逆の価値観や考え方で世の中は動いている、という事になる訳です。」

ハ「まぁ、確かに現実社会は問題も多いし、多くの人が悩みや苦しみを抱えているし、とても『陽気づくめの世の中』とは言えないとは思います。しかし、人々がその散財心を持てば世の中が変わるという事ですか?ちょっと想像しにくいのですが・・・。」


責「そうですね・・。みかぐらうたに『欲にきりない泥水や』という教えもあります。必要なお金やイザという時のために蓄えるのは悪い事ではないのですけど、人間はお金を貯めるともっともっと増やしたくなる、貯める事や稼ぐ事が目的になってしまう場合が多いのです。それを戒める意味でも泥水と教えられたのでしょうね。」

ハ「まぁ『座って半畳、寝て一畳、天下とっても二合半』という諺もありますから、あまり欲をかいてもダメなのかな。」


責「先ほどハルアキさんが言ったように、お金は商品やサービスと交換してこそ人の役に立ちます。お金は、その交換を先延ばしにしている『予約券』のようなものだと考える事ができます。予約券だけ沢山貯め込んでも意味はないでしょう?」

ハ「なるほど。予約券ですか。何にでも交換できて、枚数を集めると高級品やブランド品まで買える便利な予約券ですね。」


責「はい。沢山持っている人はどんどん使ってくれれば良いと思います。景気が良いというのは、お客さんが沢山来て売上が上がる事、商品が飛ぶように売れて忙しいくらいになることです。それには、皆が買い物をしない事には始まりません。」

ハ「とはいえ、この不況下で収入が上がる見込みもないし、コロナ自粛で尚更旅行にも買い物にも出かけられないのでは、消費が増えるところではないですね。」


責「全くです。政府は定額給付金を十万円支給しましたけど、全然たらないですね。第二弾、第三弾、いや、毎月十万円支給しなければ、このコロナ不況、三十年続いているデフレ不況からは抜け出せませんよ。」

ハ「さすがにそれは・・・、一億人に10万円支給するのに12兆円、12ヶ月だと144兆円必要になります。今の一般会計予算を越えてしまいますね。」


責「はい、新規国債の発行でも政府貨幣の発行でもして出せばいいのです。何にしても国民つまり消費者がお金を使う気にならないと景気は良くならないのですから、皆が安心して使えるように定期的に給付金を支給するべきです。」

ハ「いや、あの、そんなに新規国債を発行したら、将来の返済が大変ではありませんか?」


責「返済の期限が来たら、また借換債を発行すれば済みます。政府は自国通貨、つまり、円を新規に発行することが出来るのですから返済に困ることはありません。」

ハ「はい、家計簿とは違うので政府が破綻する事がないのは分かってますが、あまり沢山の紙幣や硬貨が市場に出回ると、お金の価値が下がる、つまり、極端なインフレになってしまうのではありませんか?」


責「確かに、生産される商品やサービス、財に比較して、お金=紙幣や貨幣が多くなれば、インフレになるでしょうね。では、どの位御金が増えたらどの程度のインフレになると思いますか?」

ハ「え、いや、ちょっとハッキリとは分かりませんが・・・。」


責「夏前に定額給付金として国民一人当たり10万円を配って、総計で12兆円程国民の持つお金が増えたことになりますけど、全くインフレにもなっていないし、為替相場にも影響がありませんでした。」

ハ「そうでしたね。まだまだ配っても大丈夫だと?」


責「はい。ちなみに、日本のGDP=国民総生産は550兆円ですから、年間で550兆円の商品やサービス、財が売り買いされていると考えられます。という事は、単純に考えて、流通するお金が550兆円増えるとお金の割合が倍になるので、価格が2倍になると釣り合いがとれますね。」

ハ「550兆円もですか?」

(続く)

散財心と蓄財心

2020年10月10日
(続き)


責「まずは当たり前の所から考えたいと思うのです。
お金の役割とか機能についてですけど、お金には2つの役割があります。
まず一つは売買の際に交換する機能ですね。
今の世の中、お金を出せば大抵のモノは買えます。

ハ「経済を回すためにモノや商品と交換する役割ですね。お金そのものは食べる事も着る事も出来ませんけど、食べ物や着る物を手に入れるためにはお金が必要です。」


責「はい。何かの商品やサービスと交換できるというのが重要なポイントですが、お金そのものは、ご飯のように食べることも出来ないし、服のように着ることも出来ない、車のように何処かに乗って行くことも出来ないし、という事ですね。」

ハ「確かにお金そのものは何も出来ませんが、でも、お金さえあれば買えないモノは無いという位、欲しいモノが手に入るという便利な道具です。」


責「そう、お金は道具なのです。これは大事なの事なのでまた後でお話ししましょう。
で、もう一つの機能は長期間貯蓄や保存する事が出来るという事です。」

ハ「食べ物は腐ってしまうし、服や電気製品などは使わなくても古くなって傷んでしまう。しかも、もし1億円分の米を貯蓄しておくには倉庫一棟が必要ですけど、現金はそれほど場所をとりません。銀行にでも預けておけば通帳の口座に数字が書き込まれるだけですからね。最近はネットバンクなどで通帳すら無い銀行もありますね。そういう意味での貯蓄というか、保存が出来るという事ですね?」


責「つまりお金は、商品やサービスと交換できて、その商品やサービスが高いか安いかを比較する『物差し』のようなモノですけど、実体のない『数字』のようなモノでしかないのですよね。この部分が昔の金貨や銀貨を使っていた金本位制と違って、今の信用貨幣の特長といえます。」

ハ「なるほど。今、私の財布の中に入っている一万円札は確かに1万円札として存在していますけど、銀行に預けたらこの1万円札は私の手元から消えてしまう。でも、私が持っている1万円は通帳やネット口座に記録されている訳です。これが『信用貨幣』でしたか?」


責「それは銀行の信用という事になります。『信用貨幣』というのはもう少し広い意味になりますが、それはまた必要があったらで。今は、お金の性質や機能と中山みきさんの教えとの関連性、そして、教えの中身を考えて行こうと思います。」

ハ「了解しました。」


一下り目
一つ 正月こえのさづけはやれめずらしい
二に にっこりさづけもろたらやれたのもしや
三に さんざいこころをさだめ
四つ よんなか
五つ りをふく
六つ むしょうにでけまわす
七つ なにかにつくりとるなら
八つ やまとはほうねんや
九つ ここまでついてこい
十ど とりめがさだまりた


責「と、まずは一下り目ですが、これは『経済について』の教えだというお話しはしていたと思います。重要な所は『三に さんざいこころをさだめ』と『七つ なにかにつくりとるなら』です。この二つで経済的陽気づくめの世界建設にとりかかれ、という教えです。」

ハ「はい。以前『さんざい』は三歳心ではなく、散財心だと聞いていますが、散財心で陽気づくめ世界というのが結び付かないのです。」


責「散財といっても、無駄使いとは違います。誰かにご馳走になった時のお礼の言葉で『本日はすっかり散財を掛けてしまって。』なんてことを普通に言います。散財には、誰かのために用意する、心を尽くす、もてなす、という意味が含まれています。」

ハ「なるほど。互いに奢ったり奢られたりする訳ですね?」


責「まぁ、単に奢るとかご馳走するという範囲ではないのですが、形からすればそうなりますね。これに対して、蓄財心は自分一人でしまいこんで蓄えておくという蓄財心とでも言いますか、この心では豊かで陽気づくめの世の中にはならない、という事です。」

ハ「皆が貯蓄して蓄えておくことは悪い事ではないと思いますが。蓄えが増えればいざという時にも困ることはありませんし、普段散財して必要なときに何も残っていないのでは、それこそ困りませんか?」


(続く)

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